本書の内容

日本が南シナ海に代わってインド洋の「航行の安全」を言い出したのはつい最近だ。安倍晋三首相は昨年月のＡＳＥＡＮ関連会合の場でもアメリカ、オーストラリア、日本、インドを結ぶ新たな安全保障の枠組みを強調した。
この４国を結ぶ枠組みはインド太平洋安全保障「ダイアモンド構想」とも言うらしいが、反中親米を鮮明にしている国が、アジア太平洋地域ではこの４国しかなくなったということも意味している。いびつなダイアモンドなのだ。
一方、アメリカ離れをしつつある東南アジア諸国もさまざまな問題を抱える。軍政下のタイを筆頭に、アメリカ離れが「民主主義離れ」となっている国も少なくない。経済成長著しいフィリピンも麻薬撲滅政策における容疑者の超法規的殺人など人権面で批判を受け続けている。アメリカや日本の存在感がかつてより薄れつつあるなかで、さまざまな地殻変動が起こりつつあるように感じている。
アジアに徹底して焦点を当て続ける専門誌として、「ＲＥＡＬ　ＡＳＩＡ」がそういった地殻変動を硬軟両面で伝えていければ幸いだ。

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  ミンダナオ島マラウィ潜入記

   - 写真・文　八木貴史

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